日本国憲法の本質と立憲主義
立憲主義:国家権力(政府)が暴走しないように憲法に基づき統治を行う原理
そのために、そのときどきの国家権力(政府)に都合の良いように簡単には変えられないよう、
  憲法改正の手続きのハードルは高い(日本よりハードルの高い国が多い)。
憲法の本質は基本的人権の保障にあり、国家権力の行使を拘束・制限し、国民の権利・自由の保障を図るためのものである。
憲法は最高規範であり、国のあり方についての理念を示す。
日本国憲法三大要素:「基本的人権の尊重」、「国民主権」、「平和主義」
日本国憲法は、「個人の尊厳」の原理(13条)の達成を目的とする
個人の尊厳を達成するために
1.基本的人権の尊重  「基本的人権の尊重」を開いて詳細を見る
2.民主主義(国民主権)  「民主主義(国民主権)」を閉じる
人権
参政権
選定・罷免権 15条44条
国会議員 44条
地方公共団体の長 93条2項
国民審査 79条2項
国家意思の形成に直接参与する権利
国民投票 96条
地方特別法 95条
参政権を補完する諸権利
表現の自由 21条
知る権利 21条
集会・結社の自由 21条
請願権 16条
統治
国民主権 1条
選挙制度
議院内閣制 66条3項69条
地方自治制
国民票決制 96条95条
国政公開の原則 57条2項91条
国会の最高機関性
政党制
3.平和主義  「平和主義」を開いて詳細を見る
世界人権宣言   「第一条 すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない。」
立憲主義
憲法は最高法規である
第九十七条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。
第九十八条 この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。 ② 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。
憲法に反する法律や国家の行為は認められない。
公人に課された憲法尊重擁護義務
第九十九条 天皇又は摂政,及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。
憲法は国家権力の行使を拘束・制限するものであり、国民への義務は課されていない。
憲法改正手続き
第九十六条 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
② 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。
法律とは違って、改正のハードルが高くなっている
自民党改正案の問題点        詳しくはこちら
安倍首相が改憲に意欲的であり、参院選の争点になっている。特に憲法改正手続きを定めた96条の憲法改正要件を緩和する改定には、改憲論者を含め多くの反対が出ている。そうした状況から自民党の主張はトーンダウンしているが、油断はならない。
 うかうかしていると改憲派議員が2/3を超え,あっという間に憲法改正が可決され(発議)、国民的議論のないまま国民投票がなされてしまう可能性がある。私達の暮らしをガラリと変えてしまう内容になっている自民党改憲案を注意深く吟味、評価する必要がある。
●そもそも憲法擁護義務のある首相が率先して憲法改正を主張するのはおかしい。
●憲法が改正し難いからと法律並みに改正要件を緩和することは、立憲主義に反することである。
自民党の改正案は、現憲法から視点が180度転換し、その内容から現憲法とは根本が全く異なる「新しい憲法」である。
現憲法の「基本的人権の尊重」・「国民主権」・「平和主義」は守られず、 基本的人権が「公益と公的秩序に反する」という名のもとで著しく制限される等、問題点が多い。
●全体的に天皇を元首とする国家主権志向
●政府の進言により天皇の国事行為を自由に操作できるようになる
(現憲法では天皇の国事行為は憲法で決められたことに限定されている)
●現憲法の根本理念である「個人の尊厳」が無視され、国民は国家を構成する概念的な「人」として扱われる
●現憲法の「基本的人権は侵すことのできない永久の権利」の第97条が削除されている。基本的人権の軽視。
●財産権は(国が)「保証する」の文言に現れる国家が国民を制する姿勢
(現憲法では、(国は)財産権を「侵してはならない」(侵害禁止)となっている)
●公益及び公の秩序を害することを目的とした活動と結社の禁止
(国策(例えば原発推進)に反対することができなくなる)
●諸々の自由と権利が「公益と公の秩序」の優先によって制限・剥奪される
●「家族の助け合い」義務や国家に対する義務等多くの国民の義務の挿入
●国防軍の創設と集団的自衛権(交戦権)の導入
●軍法裁判所の設置(裁判官ではなく軍による裁判)
●首相の緊急事態宣言による全ての権限の首相への一元化
●現憲法の「天皇の憲法尊重義務」をなくし、公人より先に「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない」
  (国の暴走を防ぐ本来の憲法(立憲主義)に反する)
上記のような内容にもかかわらず、自民党の改正案の内容についてマスコミ(新聞・テレビ)で報じられたことはほとんどなく、 賛成と反対の討論もない。
憲法改正に賛成な人は、自民党の改正案の内容を知った上で賛成しているのだろうか。
「時代に合わせて改正しても良いにのでは」、「具体的にどこを改正するという訳でもないが、改正してもいいのでは」という方、
 今改正するということは、自民党案への改正になることを承知しているのでしょうか。
自民党の憲法改正草案に対する批判が続出しています。その中から
自民党憲法草案の条文解説
日本国憲法改悪草案 日本の未来にふさわしくない 憲法改悪阻止を今こそ
96条改正に新聞各紙は批判続出 「姑息な手段」「熟議ないがしろになる」
改憲バスに乗る前に -江川紹子-
自民党改憲草案に危機感 若手弁護士の会結成
軍法会議復活めざす自民党憲法改正草案の時代遅れ―軍事ジャーナリスト 田岡俊次
安倍自民党の「日本国憲法改正草案」の恐怖その1ー緊急事態条項=戒厳令の明記
安倍自民党の「日本国憲法改正草案」の恐怖その2ー基本的人権の制限法律で好きに制約
自民党憲法改正案の本質 森永拓郎
自民党「日本国憲法改正草案」全文批判 社民党
憲法改正の議論に思う NPO法人自治体政策研究所(現憲法が押し付けられたものではないとする詳細な史実)
憲法9条と96条 NPO法人ネットワーク「地球村」
こんなに危険!ー自民党の憲法改正草案 Project99%
特集ワイド:自民党改憲案 アノ独裁国家そっくり?
自民憲法改正案に賛成の論調は、あまり見られないが、賛成している人の論点は? 
憲法の本質論より「現憲法が押し付けられた」とする形式論が最大の改正理由のようだ。
憲法を主権者の手に戻そう