亜臨界水反応によるごみ処理法
原理     実証プラント例     施設見学記     亜臨界水反応ごみ処理施設の考察    
亜臨界水を活用した実証プラント例
イビデン(株)の亜臨界処理装置     見学記
 亜臨界処理有機物を容器に入れ、水・温度・圧力を加え亜臨界といわれる状態にします。亜臨界状態は強い加水分解作用が有り、極短時間で有機物は液状化し、アミノ酸や脂肪成分に分解されます。さらに 臨界点を超えると強力な酸化作用が起こり、有機物は完全に二酸化炭素と水に分解されます。
水は浄化後反応槽に戻して再利用、一部は飲料可能レベルで排水。
 処理時間は処理量にかかわらず1 バッチ(7.5 ㎥)30 分程度、投入から排出までの前後工程を入れて 1 バッチ2 時間程度。
燃料を使用するのは昇温時のみなのでランニングコストは低く、CO2 の排出量は少なく、密閉容器内で処理するため処理過程での臭気はありません。
伊賀国友産業(株) クニスタ−AZ廃棄物処理プラント
     容器内へ生ごみ、家畜糞、容器包装廃棄物を伴った食品廃棄物などを投入し、内部を真空状態にした後撹拌しながら、高温高圧の蒸気で処理する装置です。装置の主な構成機器としては、煮熟缶本体、架台、ボイラー、ボイラー付属装置、真空発生ユニット、撹拌装置、放蒸処理タンク、脱臭装置、凝縮水処理装置、等で構成。170度から210度(1.0Mpa〜2Mpa)の高温水で処理することにより、金属、石類、ガラス類以外の有機物を全て加水分解します。
 従来から分解が困難であると考えられていたプラスチック製容器包装廃棄物を完全消滅させます。含水率の高い、家畜糞尿、生ごみ、農産物残渣、水産加工残渣等の処理も投入から排出迄を約60分で完熟度90%の良質な堆肥や飼料などに再生させる事ができます。
分解後の水や揮発性物質は、水蒸気とともに排出されるので残渣物(製品)の中には、残りません。燃焼ではないのでダイオキシン、CO2、NOX等は発生しません。
近畿環境興産株式会社 堺SC工場      見学記
 廃油や廃溶剤、廃インクなどの液体廃棄物、廃タイヤ、廃プラスチックなどの固形廃棄物、魚のあらや廃木材などの有機性廃棄物など幅広い廃棄物。 食品・バイオマス系のリサイクル。
亜臨界水反応処理:70トン/日(24h)
排水・排ガスはゼロ
三菱長崎機工(株) 亜臨界水処理プラントのモニュメント
     東京大手町ビル1Fの「大手町カフェ」に亜臨界水処理プラントのモニュメントが展示されています。このモニュメントでは、生ごみからアミノ酸、乳酸(生分解性プラスチック原料)やバイオディーゼル油といった有価物を抽出した後、残渣を高速メタン発酵させてバイオガスを発生させ、そのエネルギーを都市の地域冷暖房エネルギーに再利用する構想になっています。